コロンビアのコーヒーといえば「エメラルドマウンテン」
「スプレモ」を思い浮かべる方も多いのではないのでしょうか?
よくブレンドに使われるているため甘さやコクのバランスが良いイメージですが、
でも実は、各地域によって個性的なコーヒー豆が数多く生産されているのです。
今回は産地によって様々な特徴を持つコロンビアの魅力について迫っていきたいと思います。
本記事のメリット
・コロンビアコーヒーの味わいの特徴がわかる
・知識を深め、コーヒータイムがより楽しくなる
・特定の風味を選ぶ際のポイントが理解できる
コロンビアコーヒーの特徴
コロンビアの主要なコーヒー産地とテロワール
コロンビアのコーヒーは産地によって様々な特徴を持っています。
その要因は国土を縦断するほどの長さを持ったアンデス山脈にあります。
北部・中央・南部の三つの山脈に分かれており、それぞれの火山性の土壌がコロンビアコーヒーの独特の風味を生み出しています。
山脈の標高も異なり、気候や植生もそれぞれ違います。
それがコロンビアコーヒーの多様性につながっているのです。
山脈ごとに有名な産地をざっくりとまとめました。
北部山脈:(標高900〜1300m)
北部山脈では、サンタンデールが特に有名なコーヒー産地として知られています。
サンタンデールではまろやかな酸味と黒糖のような甘い風味が感じられます。
中央山脈:(標高1300〜1700m)
中央山脈には、コーヒーの産地として名高いアンティオキアやカルダスがあります。
アンティオキアでは、中程度の酸味とボディ、チョコレートやナッツのような風味が特徴的です。
カルダスは、コーヒーの三大産地「コーヒー・トライアングル」の一部を形成しており、鮮明な酸味とフルーティーな風味が特徴です。
南部山脈:(標高1800〜2300m)
南部山脈には、ウィラなどのナリーニョという有名なコーヒー産地があります。
ウィラのコーヒーは、甘さと酸味のバランスが良く、フルーティーで複雑な風味が特徴的です。
ナリーニョは柑橘系の酸味と煎りすすめるとカラメルのような甘さが特徴的です。
コロンビアのコーヒーの風味はどんな表現がされる?
コロンビアのコーヒーの風味は、一般的に以下のような表現がされます。
鮮明な酸味 | コロンビアコーヒーは、爽やかでクリアな酸味が特徴的です。この酸味は、果実のような味わいを感じさせることがあります。 |
中程度の甘さ | 甘さは控えめで、バランスの良い味わいが楽しめます。そのため、飲みやすさが魅力の一つとされています。 |
ナッツやフルーツの香り | コロンビアコーヒーには、ナッツ類やフルーツを思わせる香りが感じられることがあります。これが独特の風味を生み出しており、多くの人々に好まれています。 |
ボディ(飲み心地) | コロンビアコーヒーは、口当たりが中程度から軽めで、すっきりとした飲み心地が特徴です。 |
バランスの良さ | 酸味、甘さ、香り、そして口感がバランス良く調和されていることから、コロンビアコーヒーは多くの人に愛されています。 |
もちろん、個々のコーヒー豆や栽培地域、焙煎や抽出方法によって風味が変わります。
これらの表現は一般的な傾向を示すものです。
コロンビアの主要な品種
コロンビアでは、アラビカ種のコーヒーが主に栽培されています。
カスティージョ (Caturra)
カスティージョ種は、ブラジルで生まれたアラビカ種のミュータントで、高い酸味と適度な苦味が特徴です。コロンビアでは広く栽培されており、その生産量が多いため、コロンビアコーヒーの代表的な品種とされています。
カストィーリョ (Castillo)
カストィーリョ種は、コロンビア国内で開発された品種で、コーヒーのリーフラスト病への耐性が強いことが特徴です。風味や酸味はコロンビア種に似ており、近年はその耐病性から栽培が増えています。
ティピカ (Typica)
ティピカ種は、アラビカ種の中でも最も古い品種のひとつで、コロンビアコーヒーの歴史において重要な役割を果たしてきました。複雑でバランスの良い風味と高い酸味が特徴ですが、収量が低いため、現在では栽培量が減少しています。
ブルボン (Bourbon)
ブルボン種は、高品質のコーヒーとして知られるアラビカ種の一種で、コロンビアでも栽培されています。甘みと酸味が強く、フルーティーでフローラルな香りが特徴です。しかし、収量が低く病気に弱いため、栽培量は限られています。
これらの品種は、それぞれ異なる特徴を持ち、コロンビアコーヒーの多様性を支えています。
コロンビアコーヒーの歴史と経済背景
コロンビアコーヒーの歴史は18世紀に遡り、経済背景にも大きな影響を与えています。
18世紀: コロンビアでのコーヒー栽培は、1730年代にイエズス会の宣教師がアラビカ種のコーヒー豆を持ち込んだことから始まります。当初は、家庭や教会での自家消費が主でした。
19世紀半: コーヒーはコロンビアの主要輸出品となり、国内での生産が急速に拡大しました。
20世紀初頭: コロンビア政府がコーヒー産業の発展を支援し、コーヒー栽培が国内の農業を牽引する存在となりました。
20世紀中頃〜後半: 1959年には、コロンビア政府とコーヒー生産者が連携してコーヒーの品質管理と販売促進を行うための組織、コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)が設立されました。
その後、コロンビアコーヒーは国際的なブランドとして確立され、特に “Juan Valdez” キャンペーンは成功を収めました。
現在: コロンビアは、世界第3位のコーヒー豆の生産国であり、コーヒーは同国の重要な輸出産業となっています。
コーヒー輸出は、コロンビア経済において重要な外貨獲得手段であり、多くの雇用機会を創出しています。
また、 コーヒー産業はコロンビアの就業人口の4分の1、つまり300万人以上の人々が従事する重要な産業となっています。栽培、収穫、加工、輸送、販売など、多くの雇用がコーヒー産業に関連しています。
コロンビアコーヒー生産者連盟(FNC)
Federación Nacional de Cafeteros de Colombia
FNCとは、スペイン語で「コロンビアコーヒー生産者連合会」の頭文字をとった略称です。
コロンビアのコーヒー産業についてはFNCなしでは語れません。
FNCは、コロンビアのコーヒー農家を支援する団体です。
目的はコーヒー農家が良いコーヒーを作り続け、そのコーヒーから良い収入を得られるようにすること。
以下の方法でFNCの目的を達成しています。
研究:より良いコーヒー豆を育てる方法や、コーヒー豆を効率的に収穫する方法など、新しいコーヒーに関する情報を探しています。
生産と品質保証:コーヒー豆が高品質であることを確認します。それは、コーヒーが美味しくて、人々がそれを買いたいと思うようにするためです。
マーケティングと輸出:コロンビアのコーヒーを世界中に売り出す助けをしています。それは、コーヒー農家が自分たちのコーヒー豆を売り、お金を稼ぐことができるようにするためです。
コーヒー基金:コーヒー農家からお金を集めて、「国家コーヒー基金」というものを作っています。そのお金は、コーヒー農家が必要なサービスを提供するために使われます。
これら全ての活動は、コーヒー農家が自分たちの仕事に集中し、良いコーヒーを作り続けることができるようにするためのものです。
コロンビアコーヒー豆の等級・グレード
コロンビアでは、コーヒー豆の品質を評価するために独自のグレード(等級)システムが存在します。
等級 | スクリーンサイズ |
エクセルソ プレミアム | 18 |
エクセルソ スプレモ | 17 |
エクセルソ エクストラ | 16 |
エクセルソ ヨーロッパ | 15 |
エクセルソ UGQ | 全体の半数以上が15、残りは14 |
エクセルソ マラゴジッペ | 17 |
エクセルソ カラコル | 12 |
※スクリーンサイズ 1 ≒ 0.4mm
このような格付けシステムを通じて、コロンビアコーヒーは一貫した品質が保たれ、世界中の消費者に高品質なコーヒーが提供されています。
ただし、コーヒー豆の品質は格付けだけでなく風味や鮮度、焙煎方法などにも左右されます。
そのため、格付けだけでコーヒーの品質を判断するのは難しいこともあります。
特定の風味を楽しむためのコロンビアコーヒーの選び方
異なる産地・品種・加工方法・焙煎度などコーヒーの選び方を理解することで、味覚の幅が広がり、コーヒーを選ぶ際の楽しさにもつながります。
ナッツのようなコクと、チョコレートのような風味を求めるなら
産地:アンティオキア
品種:カスティージョ・カストィーリョ
加工方法:水洗式
焙煎度:中煎り(ミディアムからダークロースト)〜深煎り(イタリアンロースト)程度の焙煎がおすすめです。
酸味と苦味とコクのバランスを求めるなら
産地:ナリーニョ
品種:カスティージョ・カストィーリョ
加工方法:水洗式
焙煎度:中煎り(シティロースト)程度の焙煎がおすすめです。
華やかな香り、フルーティーな風味を求めるなら
産地:ウィラ
品種:ブルボン
加工方法:水洗式
焙煎度:浅煎り(シナモンロースト)〜中煎り(シティロースト)程度の焙煎がおすすめです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は以下の3つに焦点を当てて記事を作成しました。
・コロンビアコーヒーの味わいの特徴がわかる
・知識を深め、コーヒータイムがより楽しくなる
・特定の風味を選ぶ際のポイントが理解できる
あなたのコーヒーライフがより充実することを祈っております。