こんにちは!aya_hobbitです。
エチオピアのコーヒーはとても美味しいので、酸味が好きな方はぜひ飲んで頂きたい!
コーヒーの特徴は優しい酸味とフルーティな風味です。
私の周りではエチオピアファンがかなり多く、何を隠そう、私自身もエチオピアファンの1人です。
そのため、美味しいエチオピアコーヒーの選び方やポイントを、この記事をご覧頂くあなたにお伝えしたいと思います。
また、選び方だけでなく『歴史や生産背景』『エチオピアが抱える問題』など一歩踏み込んだ内容もお話させて頂くので、
コーヒーを飲みながらゆっくりとお楽しみください。
エチオピアってどんな国?
エチオピアはアフリカ大陸の東部に位置し、ケニア、スーダン、ソマリアと国境を接しています。
基本データ
面積 | 109.7万平方キロメートル(日本の約3倍) |
人口 | 約1億1,787万人(2021年:世銀) |
首都 | アディスアベバ |
民族 | オロモ人、アムハラ人、ティグライ人、ソマリ人等約80の民族 |
言語 | アムハラ語、オロモ語、英語等 |
宗教 | キリスト教、イスラム教他 |
コーヒー生産量 | 496,200(世界第5位) |
エチオピアはコーヒーの生産と文化で知られている国です。ここでは、人々がコーヒーをとても愛しており、日本の茶道に似たおもてなしの儀式であるカリオモンという伝統的なコーヒーセレモニーがあります。
この国の経済は農業が中心で、特にコーヒー豆の輸出が大きな割合を占めています。輸出においてコーヒー豆は農産物全体の約50%を占めるほどで、エチオピアの経済を支える重要な役割を果たしています。
世界的に見ても、エチオピアはコーヒー生産量で世界第5位となっており、トップクラスの生産国の一つです。
エチオピアコーヒーの味わいの特徴
エチオピアのコーヒーは優しい酸味と甘味がありながらも、口当たりが軽やかでフルーティーな風味が特徴です。
その多様性からさまざまな表現がされますが、一般的に以下のような表現をされています。
フルーティー | エチオピアコーヒーは、ブルーベリー、ラズベリー、ストロベリーなどのベリー系やアプリコット、ピーチ、マンゴーなどの果実。 |
花様の香り | ジャスミンやハチミツ、ローズなどの花の香り。 |
柑橘系 | 柑橘系のフレーバーが感じられることもあります。レモン、オレンジ、グレープフルーツなどのシトラス系の果実。 |
香辛料のニュアンス | カルダモン、シナモン、クローブなどの香辛料のニュアンス。 |
選び方のポイント①「浅煎り〜中煎りを選ぶ」
エチオピアの最大の特徴は優しい酸味です。この個性を引き出すには浅煎り〜中煎りが好ましいです。
・浅煎りだとレモンティーなど、まるで紅茶のような味わいになります。
・中煎りだとコクがありながらも、フルーティな味わいになります。
個人的にはコーヒーを単品で飲むなら浅煎り・スイーツと一緒に飲むなら中煎りがおすすめです。
選び方のポイント②「産地はイルガチェフェとグジ」
エチオピアにもさまざまなコーヒー産地がありまして、シダモ・イルガチェフェ・リケンプティ・ジマ・グジ・ハラーなど有名な産地は多いのですが、おすすめはイルガチェフェとグジです。
この2つの産地は本当に美味しくてジューシーなのでおすすめです。
イルガチェフェ (Yirgacheffe)
エチオピア南部のイルガチェフェ地域は、その高地の気候と肥沃な土壌により、高品質のコーヒー豆が生産されています。花のような香りと明瞭な酸味が特徴。実はイルガチェフェはシダモ州の中の一つの地区ですが、一般的にシダモとは別の扱いをされています。
グジ (Guji)
エチオピア南部に位置していて、北にはシダモ地域が隣接しています。グジ産のコーヒーは、特にストロベリーやピーチ、シトラス系の風味で評価されています。グジの品質向上に伴って、イルガチェフェ同様にシダモではなく「グジ」の名で扱いをされています。
選び方のポイント③「ナチュラルかウォッシュドを好みで選ぶ」
精製方法はナチュラルかウォッシュドを好みで選んでください。
・ナチュラル精製のエチオピアコーヒーは芳醇な香りになり、まるでイチゴのような果実味です。
・ウォッシュド精製のエチオピアコーヒーはスッキリした風味になり、まるでレモンのような果実味です。
ナチュラルもウォッシュドもどちらとも美味しいです。両方飲んでご自身の好みを見つけてください。
ナチュラル精製
果肉を取り除かずにコーヒーチェリー全体を天日干しする方法を指します。
エチオピアのナチュラルコーヒーは、ストロベリーといったベリー系の甘酸っぱい酸味と香りが代表的です。この甘い香りがチョコレートを連想させ、モカのコーヒーはチョコの味のようなイメージができたのではとも言われている
ウォッシュド(水洗い)精製
コーヒーチェリーを収穫後、果肉を取り除いてから発酵・洗浄し、その後乾燥させる方法を指します。
エチオピアのウォッシュドコーヒーは柑橘系の酸味とピーチやアプリコットを思わせる甘い香り、またスパイシーな香りが特徴的です。コーヒーというよりも紅茶に似通った味が思い浮かびます。
エチオピアコーヒー豆の収穫方法と品種
ほとんどの収穫は自然の中で育ったコーヒーノキから
エチオピアで収穫されるコーヒーは自然の中で育ったコーヒーノキから収穫されるケースがほとんどで、農園での収穫は少数派です。
主な収穫方法は以下の4つです。
フォレストコーヒー(約20%):自然界、特に森林に自生するコーヒー木から収穫されます。
セミフォレストコーヒー(約35%):森林を一部開放してコーヒー木を栽培し、やや管理された環境で収穫します。
ガーデンコーヒー(約35%):エチオピアで最も一般的な栽培方法で、家庭の庭や他の作物と共にコーヒー木を育てます。
プランテーションコーヒー(約10%):伝統的な農園で栽培されるコーヒーです。
フォレスト、セミフォレスト、ガーデンコーヒーの栽培では肥料や農薬を使用しないため、約90%はオーガニックコーヒーが生産されています。
ほとんどのコーヒー豆は農家さんのハンドピッキングにより集められ、伝統的な収穫方法がいまだ守られています。
品種は「在来種」または「エチオピア固有種」の表記がほとんど
エチオピアのコーヒーは約3,500種の品種が存在すると言われていますが、自生しているコーヒーノキからチェリーを収穫しているという背景もあるので、他国のように品種から選んで栽培はされていません。
そのため、エチオピアのコーヒー品種は多くの場合「在来種」または「エチオピア固有種」として表記されるのがほとんどです。
エチオピアのコーヒー豆の等級・グレード
等級 | 欠点豆の数(300g中) |
G1 | 0~3個 |
G2 | 4~12個 |
G3 | 13~27個 |
G4 | 28~45個 |
G5 | 46~90個 |
現在、G1〜G2の等級が適用されているのは、イルガチェフェ地区のウォッシュドの一部だけとなっています。
実際にはG9までの等級が存在しますが、輸出許可が出るのはG5までとなっています。
そのため日本にはG4以下の等級のコーヒー豆がほとんど輸入されていません。
コーヒーの発祥地であるエチオピアの素敵な伝説
エチオピアはコーヒーの素敵な伝説を持つ国です。ワクワクするような素敵な物語があるということも私がエチオピアが好きな理由の一つなのでぜひ紹介させて頂きます。
『コーヒー発祥の地であるエチオピアコーヒーの歴史は、9世紀から10世紀頃にさかのぼるとされています。
伝説によれば、エチオピアのカフヤ地方で羊飼いのカルディが、コーヒーチェリーを食べた羊が活発になる様子に気付き、それを修道士たちに伝えたことがコーヒーの発見とされています。
修道士たちはその力を試すためにコーヒーチェリーを使って飲み物を作り、祈りや瞑想の際の眠気覚ましとして利用していました。』
これらの物語はコーヒーを飲むたびにメルヘンチックな雰囲気を感じさせてくれます。
エチオピアのコーヒー産業の歴史と経済背景
9世紀〜10世紀頃エチオピアのコーヒー文化が始まりました。
19世紀半ばにコーヒーの商業生産が始まりました。それまでコーヒーはエチオピア国内で広く栽培されていましたが、主に家庭や地域での消費が中心でした。その後、イエメンやエジプトを経由してヨーロッパへの輸出が始まり、エチオピアのコーヒーが国際的に知られるようになりました。
2008年4月にECX(エチオピア・コモディティ・エクスチェンジ)が設立されました。
これは、エチオピアの農産物、特にコーヒーを売り買いするための大きな市場を作るためのもので、生産者とバイヤーが公正に取引を行っています。
2008年5月9日に農薬問題があり、日本との取引が一時的になくなりました。
その後、商業生産が徐々に拡大し、現在エチオピアでは、約1500万人がコーヒー産業に関わっており、国のGDPの約10%を占めています。
また、コーヒーはエチオピアの輸出品目の中でも最も重要なものであり、輸出収入の約25%を占めています。
2008年農薬問題をざっくり解説。
2008年にコーヒーの問題がありました。エチオピアでは、ほとんど無農薬でコーヒー豆が育てられていますが、一部のコーヒー豆に、普段作物を守るために使う薬(農薬)が残っていることが発覚。どうやら、取引時に使われる麻袋に農薬がついていたとその後に判明しました。日本のあまりにも厳しい基準値も話題になりました。
ECXをざっくりとやさしく解説。
ECXって何?
ECXは、エチオピアでのお買い物をする場所です。ここでは普通のお店で買うようなものではなく、コーヒーや豆、小麦のような大切な食べ物や商品を大量に買ったり売ったりします。農家の人たちが作った商品を公平な価格で売れるように手伝ってくれます。これは、農家の人たちが自分たちの作ったもので良いお金をもらえるようにし、みんなが公平に取引できる場所を作るためです。
なんでECXが設立されたの?
ECXが設立された背景は、農家の人たちが作ったもの、特にコーヒーを売るときに、いくらで売ればいいのかわかりにくかったという問題がありました。農家の人たちは自分の作ったものが本当はもっと高く売れるはずなのに、悪い中間業者に安く売ってしまうことがよくありました。ECXは、これらの問題を解決して、農家の人たちが自分の作ったものを公平な価格で売れるようにするために作られましたが、かなり規制が厳しく設立当初は世界中のバイヤーが困惑した事情がありました。その後、2015年頃にECXの規制が緩和されはじめ、スペシャルティコーヒーを中心にECXを通さずに輸出できるようになりました。
モカコーヒーとは?
モカコーヒーといえばエチオピアを思い浮かべる人もいると思いますが、実はモカコーヒーとはエチオピアとイエメンの両方から輸出されるコーヒー豆を指します。
モカコーヒーは、その産地や地域によってさまざまな種類に分けられます。
エチオピアが抱える問題
エチオピアにとってコーヒーは重要な輸出商品であり、外貨を獲得するための大切な収入源です。そのためコーヒーを調べるとその国が抱える問題が見えてきます。
今回気になるトピックスは2つ「貧困問題」と「紛争問題」です。
貧困問題(コーヒーなど気候変動の影響を受ける農作物に頼る脆弱性)
国際通貨基金(IMF)のデータによると、戦争や飢饉に苦しむアフリカや中東の国々が世界で最も貧しいとされています。エチオピアは経済成長を遂げているものの、多くの人が国際的な貧困ライン以下で生活しており、主に農村地域に住んでいます。干ばつや外債、主要輸出品目をコーヒーなど気候変動の影響を受ける農作物に頼る脆弱性を有するなどの課題があり、人口の約44%が絶対貧困状態にあります。政府は貧困削減と食糧安全保障の確立を最大の課題としています。
紛争問題(安定した政情と社会環境がなければ、コーヒー産業の発展も限定的)
エチオピアでは2020年11月からティグライ地方で政府軍とティグライ民族解放戦線(TPLF)間の軍事衝突が始まりました。紛争は続き、非常事態宣言が出されるほど状況は過熱しました。2022年には両者が人道的停戦を宣言しましたが、今後も予断は許されず、安定した政情と社会環境がなければ、コーヒー産業の発展も限定的になることは容易に想像できます。
まとめ
本記事のまとめです。
エチオピアコーヒーの選び方
・選び方のポイント①「浅煎り〜中煎りを選ぶ」
・選び方のポイント②「産地はイルガチェフェとグジ」
・選び方のポイント③「ナチュラルかウォッシュドを好みで選ぶ」
エチオピアコーヒー豆の収穫方法と品種
・ほとんどの収穫は自然の中で育ったコーヒーノキから
・品種は「在来種」または「エチオピア固有種」の表記がほとんど
エチオピアのコーヒー豆の等級・グレード
・G1〜G5
以上です。ここまでご覧いただきありがとうございました。