カフェやコーヒーショップで出されるような透き通った美味しい酸味を持つコーヒーに憧れていませんか?
『酸味のあるコーヒーが好きなんだけど、どんなコーヒーを選べばいいのかわからない』
今回はそんな方のためにコーヒーの酸味についてご紹介させて頂きます。
具体的には以下の2点に焦点を当てながらお話させて頂きます。
・酸っぱさとは違う、良質な酸味とは
・酸味に特徴を持つコーヒー豆の産地
・コーヒー豆の選び方について
「コーヒーの酸味って酸化した酸っぱさじゃないの?」
「良質な酸味ってなに?」と疑問を持っている人もぜひこの記事をご覧ください。
良質な酸味を感じるためのコーヒーの選び方をご紹介したいと思います。
コーヒー選びの幅を広げ、自分好みの「良質な酸味」を持つコーヒーを見つけるためにお役立てください。
コーヒーの良質な酸味とは
コーヒーを飲む際、”酸味”という言葉をよく耳にしますが、ひとことで酸味といっても様々な種類があることをご存知ですか?
コーヒーの酸味は単なる酸っぱさとは違い、良質な酸味だと「果実のような酸味」という表現をされます。
具体的にいえばイチゴ・レモン・モモなどの果実の酸味に例えられます。
これはコーヒーの世界の大袈裟な表現だと思われがちですが、実は本当にイチゴやレモンのような酸味を感じることができるのです。
・高品質の豆
・適切な焙煎度
・焙煎後すぐの新鮮な状態
この3つが必要になってきます。
酸味が好きな人のコーヒーの選び方
焙煎度合い、新鮮さ、トレーサビリティーが優れていることを確認することで、自分好みの「良質な酸味」を持つコーヒーを見つけ出すことができます。
焙煎度合いは浅煎り~中煎り
良質な酸味を感じるためには、焙煎の度合いが非常に重要です。
一般的に、浅煎りから中煎りのコーヒー豆は、酸味がより際立っています。
浅煎りは特にフルーティーな酸味が強調され、中煎りではバランスの取れた酸味と苦味を楽しむことができます。
ただ、「青リンゴのような酸味」と紹介されたものは注意が必要かも知れません。
あまりにも浅すぎた焙煎だと青臭さを感じることがあります。
浅煎りに適した豆でなければ不快な味になってしまいます。
新鮮なコーヒー豆を選ぶ
コーヒー豆の新鮮さも、良質な酸味を感じるための重要な要素です。
新鮮なコーヒー豆は、風味が豊かで、酸味もしっかりと感じられます。
購入する際には、焙煎日や賞味期限を確認し、できるだけ新しいものを選びましょう。
トレーサビリティー(コーヒー豆の詳細な情報)が優れている
良質な酸味を持つコーヒー豆を選ぶ際には、そのトレーサビリティーも考慮すると良いでしょう。
トレーサビリティーが優れているコーヒー豆は、産地、生産者、収穫時期などが明確にされています。
これにより、その豆がどのような環境で育てられ、どのような特性を持つのかがわかり、
更にその酸味がどのように形成されたのかも理解しやすくなります。
酸味に特徴のあるおすすめのコーヒー産地(大陸別)
大陸別にざっくりと酸味に特徴のあるコーヒー産地のおすすめを紹介させていただきます。
本来、コーヒーの味わいは各国のテロワール(産地特有の土壌や気候)・品種・栽培方法・精製方法・焙煎・抽出などこれらの要素が複雑に絡みあって構成されます。
そのため、国ごとの味わいの特徴を厳密に分類することは不可能ですが、大まかな目安があるとコーヒー選びの助けになると思います。
実際に飲まないと「果実のような酸味」を知ることはできないので、
もし、コーヒー豆を購入する際には以下の情報をお役立てください。
アフリカ
アフリカの全体的にフルーティーで優しい酸味が特徴です。
その酸味はよく柑橘系やベリー系に例えられることが多く、風味の繊細さと複雑さは他の産地と比較して際立っています。
焙煎度は浅煎り〜中煎りに適した豆が多いです。
・エチオピア: イチゴやレモンのような酸味。
・ケニア: カシスのような酸味が感じられる。
・タンザニア: シトラス系の酸味が特徴で、特にレモンやグレープフルーツを思わせる風味がある。
エチオピア
イチゴの風味を求めるなら
産地: イルガチェフェ・グジ
品種: 在来種
加工方法: 天日乾燥法(ナチュラル)
焙煎度: 浅煎り(シティロースト)から中煎り(シティ+ロースト)
レモンの風味を求めるなら
産地: イルガチェフェ・シダモ
品種: 在来種・ゲイシャ
加工方法: 水洗式(ウォシュド)
焙煎度: 浅煎り(シティロースト)から中煎り(シティ+ロースト)
タンザニア
柑橘系の風味を求めるなら
産地:キリマンジャロ
品種:ブルボン品種・ティピカ品種
加工方法:水洗式
焙煎度:浅煎り(シナモンロースト)〜中煎り(シティロースト)程度の焙煎がおすすめです。
ケニア
カシスのような風味を求めるなら
産地:ナイロビ・キリニャガ・エンブ
品種:SL28・SL34
加工方法:ウォッシュド
焙煎度は浅煎りから中煎り(シナモンローストからシティロースト)がおすすめ
中米
中米は数多くの有名なコーヒー産地を擁し、スペシャルティコーヒー業界における中心的な存在の地域です。
産地ごとに異なる特性を持ち、そのバリエーションの豊富さを一括りに表すのは難しいのですが、総じていうと柑橘系の明るい酸味が特徴です。
焙煎度は中煎りに適した豆が多いです。
アフリカと比べると全体的に酸味が強い印象を受けると思います。
・グアテマラ: 高地で育てられた豆は、明るく柑橘系の爽やかな酸味があります。
・エルサルバドル: グアテマラと同様に柑橘系の爽やかな酸味があります。
・パナマ: 特にゲイシャ種はトロピカルフルーツのような複雑な酸味を感じます。
グアテマラ
心地よい爽やかな柑橘系のような風味を求めるなら。
産地 : コバン
品種:ブルボン
精選方法:ウォッシュド
焙煎度 : 中煎り(ミディアムロースト)
エルサルバドル
バランスのよいクリーンな飲み口と柑橘系のスッキリした風味を求めるなら
産地:ラリベルタ
品種:ブルボン
精製方法:ウォッシュド
焙煎:中煎り(ミディアムロースト)~深煎り(フルシティロースト)
パナマ
トロピカルフルーツな香りと酸味の美味しさを求めるなら。
産地 : ボケテ地区
品種:ゲイシャ、ブルボン、ティピカ
精製方法:ナチュラル
焙煎度 : 浅煎り(ミディアムロースト)〜中煎り(ハイロースト)
アジア
近年は、スペシャルティコーヒーとしての品質を追求する生産者も増えており、それに伴い品質の高いアラビカ種の生産も増えてきています。
その中でもミャンマーの酸味の美しさは格別です。
ミャンマー
リンゴのような香りと酸味の美味しさを求めるなら。
産地 : シャン州ユワンガン
品種:カツーラ、SL34、ブルボン、ティピカ
精製方法:ナチュラルプロセス
焙煎度 : 浅煎り(ミディアムロースト)〜中煎り(ハイロースト)
保存方法にも気を付けるべき
良質な酸味を持つコーヒー豆を選んだ後も、その風味を維持するためには適切な保存方法が必要です。保存方法が不適切だと、豆の酸味や風味が失われる可能性があります。
保存容器
コーヒー豆は酸素との接触を避けるために、密封性が高い容器で保存することが推奨されます。
保存場所
高温多湿や直射日光はコーヒー豆の敵です。冷暗所での保存が理想的です。
保存期間
コーヒー豆は焙煎後、時間が経つと酸味が減少します。短期間で使い切ることが望ましいです。
豆の状態
挽いたコーヒーは酸味が失われやすいので、できれば豆の状態で保存し、使用する直前に挽くことが推奨されます。
これらのポイントを考慮して、コーヒー豆を保存することで、良質な酸味を長持ちさせることができます。選んだ豆の酸味と風味を最大限に楽しむためにも、保存方法には十分に気を付けましょう。
酸味の正体は生豆に含まれる成分
生豆にはクエン酸・リンゴ酸・キナ酸・リン酸など酸味に繋がる成分が含まれています。
これらが焙煎(加熱)により化学変化を起こして酸味に変わるのです。
その品種の成分によってそれぞれ酸味の強さや質が異なるため、酸味と言ってもやわらかい酸味やすっきりとした酸味など様々な酸になります。
その結果イチゴ・レモン・リンゴのような酸味を感じます。
コーヒーの酸味は化学変化によって決まるので色々複雑なのです。
まとめ
今回の記事では、コーヒーの酸味についての基礎知識から、その魅力、おすすめの産地まで幅広く解説しました。
コーヒーの世界では良質な酸味はイチゴ・レモン・モモなど果実のような酸味のことを指します。
良質な酸味のコーヒーを選ぶには以下の3つが大切です。
・焙煎度合いは浅煎り~中煎り
・新鮮なコーヒー豆を選ぶ
・トレーサビリティー(コーヒー豆の詳細な情報)が優れている
またアフリカ、中米、アジアといった大陸別で、酸味に特徴のあるコーヒー豆が産される国を紹介しました。
コーヒーの酸味に新たな視点を持つことで、コーヒー選びや楽しみ方が一層豊かになるでしょう。
この記事が、あなたのコーヒーライフに新しい風味と楽しさをもたらす一助となれば幸いです。