ナチュラル精製のコーヒーの特徴は?ワインのような香りと甘いコク

コーヒーチェリー

注:このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。

コーヒーを淹れる際、香りや味わいの違いを感じたことはありませんか?

その違いの一因として、コーヒー豆の精製方法が挙げられます。

中でも、

「ナチュラル」で精製されたコーヒーはワインのような香りと甘いコクが特徴です。

実は、aya_hobittはナチュラルが一番好きでayakara coffeeの商品はナチュラル精製が多くなりがちです。

好きな理由は「コーヒー豆の個性を一番感じることができる精製方法」だと思っているからです。

今回は、ナチュラル精製のコーヒーがなぜワインのような香りと甘いコクを持つのか、その背景とプロセスを詳しく解説します。

また、他の精製方法との違いも明らかにします。

コーヒーの深い味わいや香りの秘密を知ることで、日常のコーヒータイムがより豊かなものになるはずです。

ナチュラル精製は「天日干し」

ナチュラル精製は、コーヒー豆の精製方法の一つで、果肉を取り除かずにコーヒーチェリー全体を天日干しする方法を指します。

この方法は、比較的雨の少ない地域で採用されています。

主な採用国は

ブラジル・イエメン・エチオピア・インド・ドミニカ共和国など

ナチュラル精製のコーヒーの特徴をメリットとデメリットで紹介

メリットとデメリットを知ることでナチュラル精製されたコーヒーの特徴の全体像を把握しましょう。

3つのメリット

  1. 個性的な風味
    ナチュラル精製の特徴はコーヒー豆の中に果肉の糖分や風味が染み込み、ワインやフルーツのような独特の香りのコーヒーが生まれることです。

    この香りの背後には、ナチュラル精製のプロセスと発酵の役割が深く関わっています。

    ナチュラル精製では、収穫したコーヒーチェリーをそのまま太陽の下で乾燥させます。

    この際、コーヒー豆の中に果肉の糖分や風味が染み込むことになります。

    果肉の糖分は、乾燥過程で発酵を促進し、アルコールや酸類などの化合物が生成されます。

    これがワインのような香りやフルーティーな風味を生み出します。

    特に、ナチュラル精製では果肉との接触時間が長いため、発酵の影響を強く受けることになります。
  2. 環境に優しい
    ナチュラル精製は水を使用しないため、水資源の消費が少ないです。特に水の供給が限られている地域では、この方法が選ばれることが多いです。
  3. コスト削減
    水を使用しないため、水処理や廃水処理のコストがかからない。また、シンプルなプロセスであるため、設備投資や運用コストも低く抑えられます。

3つのデメリット

  1. ばらつきが生じやすい
    果肉をそのまま乾燥させるため、豆ごとの乾燥度にばらつきが生じやすいです。

    これにより、焙煎時や抽出時に均一な味を出すのが難しくなることがあります。
  2. 腐敗やカビのリスク
    乾燥プロセス中に十分な乾燥が行われないと、豆が腐敗したりカビが生じるリスクが高まります。

    そのため欠点豆が多くなりがちで雑味に繋がりやすいです。

    ハンドピッキングで取りきれなかった欠点豆が雑味になります。
  3. 農園ごとに発酵具合が違う
    ナチュラル精製と発酵のプロセスが組み合わさることで、ワインのような香りやフルーティーな風味が生まれます。

しかし、発酵はコントロールが難しく、農園ごとに発酵具合が違います。

そのため、ナチュラル精製は味わいの再現性が低い精製方法かもしれません。

ですが、その発酵具合の違いも含めてコーヒーの個性と捉えるコーヒー愛好家も数多くいます。

ナチュラル精製のプロセス

収穫

完熟したコーヒーチェリーを手摘みで収穫します。

コーヒーチェリーはまだ実が赤々としています。

乾燥

収穫したチェリーをそのまま太陽の下で乾燥させます。この際、一定の間隔でチェリーをかき混ぜ、均一に乾燥させることが重要です。

この段階では実が黒みがかった状態になります。乾燥時間はその国の気候によって変わります。

エチオピアではコーヒー豆を乾燥させるときにアフリカンベットが使われています。

アフリカンベッドとは平坦なメッシュや布の上にコーヒーチェリーを広げて乾燥させるための台です。

メッシュや布の材質なので下からの通気を可能にするため、均一に乾燥させることができます。

また地面から少し高く設置されていることが多く、これにより地面の湿気や害虫からコーヒーチェリーを守ることができます。

中米のコスタリカではビニールハウスの中に乾燥台を設置する場合もあります。

産地国によって、網・コンクリート・レンガなど材質が違います。

脱皮

乾燥が完了したら、外皮や果肉、薄皮を機械や手作業で取り除きます。

仕上げ

残った不純物を取り除き、最終的な品質を確保します。

甘いコクの背景

ナチュラル精製コーヒーは、その甘さとコクが特徴的です。

その甘みとコクの背景にある要因や、豆の品種や生産地の気候、土壌との関連性について探ります。

ナチュラル精製による味わいの深みと甘み
ナチュラル精製の過程で、コーヒーチェリーの果肉の糖分がコーヒー豆に染み込みます。この糖分が発酵することで、様々な風味成分が生まれるのです。

また、果肉との長い接触時間が、コーヒーの味わいに深みや複雑さをもたらします。

豆の品種や生産地の気候、土壌との関連性

  • 豆の品種: コーヒー豆の品種によって、糖分の含有量や風味の特性が異なります。例えば、ゲイシャやブルボンなどの品種は、甘みが強く、フルーティーな風味が特徴的です。
  • 生産地の気候: 高地や昼夜の気温差が大きい地域では、コーヒーチェリーの成熟がゆっくりと進むため、糖分が豊富に蓄積されます。これが、甘みや風味の深みを生む要因となります。
  • 土壌: ミネラル豊富な火山土や赤土などの土壌は、コーヒー豆の風味に独特の特性をもたらします。特に、鉄分やマグネシウムなどのミネラルは、甘みやコクの形成に寄与します。

総じて、ナチュラル精製のプロセスは、コーヒーの甘みやコクを強調する要因となりますが、その風味の特性は、豆の品種や生産地の気候、土壌にも大きく影響されます。これらの要素が組み合わさることで、多様な風味のナチュラル精製コーヒーが生まれるのです。

他の精製方法(ウォッシュド、ハニーなど)との違い

その特徴やプロセス、他の精製方法との違いを詳しく見ていきましょう。

ウォッシュド(水洗い)精製: 収穫後、果肉を取り除いてから発酵・洗浄し、その後乾燥させます。この方法では、クリーンで酸味の強い風味のコーヒーが得られます。

ハニー精製: 収穫後、果肉の一部を残して乾燥させます。この方法は、ナチュラルとウォッシュドの中間的な風味を持ち、甘みと酸味のバランスが特徴です。

ナチュラル精製は、これらの方法と比べて、果肉の風味が豆に直接染み込むため、よりフルーティーで甘い風味が際立つのが特徴です。

一方、ウォッシュドはクリーンな風味、

ハニーは中間的な風味が楽しめます。

これらの精製方法の違いは、コーヒーの風味や香りに大きな影響を与えるため、好みに合わせて選ぶことができます。

ナチュラル精製の歴史

コーヒーの歴史は古く、その起源はエチオピアに遡ると言われています。ナチュラル精製もまた、この古代のコーヒー文化と深く結びついています。

ナチュラル精製はコーヒーが最初に栽培されたエチオピアで自然に生まれた方法と考えられています。

世界のコーヒー産地でのナチュラル精製の位置づけ

ナチュラル精製は、エチオピアやイエメンなどの伝統的なコーヒー産地で長らく主流の精製方法でした。

しかし、20世紀に入ると、ウォッシュド(水洗い)精製などの新しい方法が登場し、品質の一貫性や風味のクリーンさを求める市場のニーズに応える形で多くの産地で採用されるようになりました。

それに伴い、ナチュラル精製は一時期、古典的な方法として影を潜める時期もありました。

しかし、近年、特有の風味を求めるコーヒー愛好者やバリスタの間でナチュラル精製の評価が再び高まり、多くの産地やカフェで取り扱われるようになっています。

特に、スペシャリティコーヒーの市場での需要の増加に伴い、ナチュラル精製の豊かな風味や独特の香りが再評価されています。

このように、ナチュラル精製はコーヒーの歴史とともに変遷を遂げてきましたが、その魅力的な風味は今も変わらず多くの人々を魅了しています。

ナチュラル精製コーヒーの楽しみ方

ナチュラル精製コーヒーは、その独特の風味と香りが魅力的です。その魅力を最大限に引き出すための淹れ方や楽しみ方を以下に紹介します。

おすすめの淹れ方

  • ドリップ: ナチュラル精製コーヒーのフルーティーな風味や甘みをしっかりと感じることができます。中細挽きにし、90℃〜93℃のお湯でゆっくりと注ぐことで、風味が均一に引き出されます。
  • フレンチプレス: コーヒーの油分を逃がさず、コクや甘みを強調することができます。粗挽きにして、4分程度の浸出時間がおすすめです。
  • エスプレッソ: 濃厚な味わいを楽しむことができます。特に、ナチュラル精製の甘みやフルーティーさが際立ちます。

飲み比べ

  • 産地や品種での飲み比べ

エチオピアやイエメンのナチュラル精製コーヒーは、それぞれ異なる風味や香りが楽しめます。また、ゲイシャやブルボンなどの品種ごとの違いも楽しむことができます。

  • 精製方法での飲み比べ

ナチュラル精製とウォッシュド、ハニー精製など、異なる精製方法のコーヒーを並べて飲み比べることで、それぞれの特徴や違いを実感することができます。
ナチュラル精製コーヒーを最大限に楽しむためのポイント

  • 新鮮な豆を選ぶ

ナチュラル精製コーヒーの風味や香りは、焙煎後の鮮度が非常に重要です。購入する際は、焙煎日を確認し、できるだけ新鮮なものを選びましょう。

ナチュラル精製コーヒーは、その独特の風味や香りを最大限に楽しむための工夫が求められます。上記のポイントを参考に、豊かなコーヒータイムをお楽しみください。

今後のトレンドや期待

スペシャルティコーヒーの台頭
近年、スペシャルティコーヒーの市場が拡大しており、ナチュラル精製コーヒーの評価も再び高まっています。特に、品質や風味の独自性を追求するバリスタやカフェが増える中、ナチュラル精製の魅力が再評価されています。

テクノロジーの進化
精製技術や品種改良、栽培方法の進化により、より高品質で風味豊かなナチュラル精製コーヒーが期待されます。特に、発酵技術の進化により、さらに多様な風味のコーヒーが生まれることが期待されています。
最後に、ナチュラル精製コーヒーは、その独特の風味や香り、そして背後にある歴史や伝統を知ることで、より深く楽しむことができます。これからも、この魅力的なコーヒーを楽しむための新しい方法やトレンドが生まれることを期待しています。

まとめ

今回は、ナチュラル精製コーヒーの魅力についてお話しさせて頂きました。

本記事の要点は、以下のとおりです。

「ナチュラル」で精製されたコーヒーはワインのような香りと甘いコクが特徴。


ナチュラル精製は、コーヒーの歴史とともに受け継がれてきた伝統的な方法であり、その歴史や背景を知ることで、一杯のコーヒーに込められたストーリーを感じることができます。

また、他の精製方法のコーヒーと飲み比べをしても楽しいかもしれません。

コーヒーの深い味わいや香りの理由を知ることで、日常のコーヒータイムがより豊かなものになることを祈っています。

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

aya_hobbit

2人の子持ちママ。コーヒー豆屋で7年間の勤務経験あり。現在は自家焙煎のオンラインショップを運営している。

資格:コーヒーマイスター
Instagramフォロワー:4,500人以上

オンラインショップへ
ayakara coffee