こんにちは、aya_hobbitです。
コーヒーを飲むとき、あなたはどのような味わいを求めますか?
甘さ、酸味、苦味、コク…コーヒーにはさまざまな要素がありますが、それらがうまく調和していると、一杯のコーヒーがより美味しく感じられます。
そんなバランスの良い味わいを持つコーヒーが、ブラジル産のコーヒーです。
ブラジルは世界最大のコーヒー生産国であり、そのコーヒーは多くの人々に愛されています。
しかし、ブラジルコーヒーがなぜそんなにも人気なのか、その理由を知っていますか?
この記事では、ブラジルコーヒーの特徴とその魅力について詳しく解説します。
ブラジルコーヒーの味わいの秘密、産地ごとの違い、そして最も美味しく楽しむための方法を知ることができます。
記事を読むことで、ブラジルコーヒーの魅力をより深く理解し、自分の好みに合ったコーヒーを見つける手助けになります。
また、コーヒーをより楽しむための新しい知識を得ることができます。
コーヒー好きならぜひ、ブラジルコーヒーの特徴を知り、そのバランスの良い味わいを楽しんでください。
ブラジルコーヒーの特徴とは?
ブラジルは南アメリカ大陸の東部に位置しており、南アメリカ最大の国です。
首都はブラジリア。
公用語はポルトガル語で、文化や歴史もポルトガルの影響を受けています。
人口は約2億1,000万人、面積は8,515,767平方キロメートルです。
これは日本の国土面積の約22.5倍ほどの大きさです。
その広大な土地を利用して栽培されるコーヒーの生産量は世界第1位。
なんと世界の約1/3をブラジル産のコーヒーが占めていると言われています。
そのため、コーヒーを楽しむ多くの人々はブラジル産のコーヒーの風味に親しみを感じるかもしれません。
大規模農園での栽培が盛んに行われており、80%はアラビカ種、残る20%はロブスタ種。
各地域で栽培されているコーヒーは、気候や土壌の違いによってそれぞれ異なる風味を持っています。
高級品から手頃なものまで、品質はまちまちです。
ブラジルの主要なコーヒー産地
- ミナスジェライス州 ブラジルのコーヒー生産の中心地です。日本全体の約1.5倍ほどの面積があり、ブラジル国内の生産量の約半分を占めています。特に、サントアントニオドアンパロ、セラード、スールデミナスなどの地域は高品質のコーヒーで知られています。
- エスピリトサント州 主にロブスタ種のコーヒーが生産されている地域で、ブラジル国内で2番目に大きな生産量を持っています。
- サンパウロ州 モジアナなどの地域は高品質のコーヒーで知られており、ブラジルでも特に評価の高いコーヒーが生産されています。
- サントス地域 ブラジルの主要な港町であり、コーヒーの輸出地としても有名です。気候は温暖で湿度が高く、土壌は粘土質で酸性です。
- バイーア州 ブラジル北東部の州で、新興のコーヒー産地として注目されています。気候は熱帯で雨量が多く、土壌は火山性で鉱物豊富。コーヒーの風味はフルーティで酸味が強いのが特徴です。
ブラジルのコーヒーの味わいの特徴は?
ブラジルのコーヒーの特徴は酸味・甘さ・苦味などのバランスの良さです。
焙煎度は、一般的に中煎りから深煎りに適した豆が多いです。
中煎りはナッツのような風味、深煎りはチョコレートのような風味になります。
単独でも楽しむことができるのですが、ブレンドコーヒーのベースとしてもよく使われています。
フレーバーノートは以下のように評価されるのが一般的です。
ナッツ: アーモンドやヘーゼルナッツのようなナッツの風味。 |
チョコレート: ダークチョコレートやミルクチョコレートのような風味。 |
カラメル: ブラジル産コーヒーはしばしば甘くて豊かなカラメルの風味。 |
トースト: トーストしたパンや焼きたてのクッキーのような風味。 |
ブラジル産のコーヒーは、その甘さ、酸味、ボディがうまく調和しており、全体としてバランスの良い味わいを持つことで知られています。
単独でも楽しむことができるのですが、ブレンドコーヒーのベースとしてもよく使われています。
ブラジルの主要な品種
ブラジルでは多くの種類のコーヒーが栽培されていますが、主要な品種として以下のものが挙げられます
- ブルボン: ブラジルで最初に導入された品種で、高品質のコーヒーを生産します。これは豊かな風味と甘さ、そして良好な酸味を持つことで知られていますが、病気に対して脆弱であり、収量も他の品種に比べて少ないという欠点があります。
- ムンドノーヴォ: ブラジルで開発された品種で、ブルボン種とティピカ種の交配種です。より病害に強く、高収量でありながらも良好な風味を持つという特性から、ブラジル全体で広く栽培されています。
- カツアイ: ブラジルで開発された別の品種で、ムンドノーヴォ種と別の品種との交配から生まれました。カツアイ種は高収量で病害に強く、標高が低い地域でも良好に生育します。そのため、ブラジルの様々な地域で栽培されています。
ブラジルコーヒーの歴史と経済背景
コーヒーのブラジルへの導入と初期の生産
コーヒーは18世紀初頭にブラジルへと導入されました。
フランスのギアナからポルトガル人によって持ち込まれ、リオデジャネイロの植物園で初めて栽培されました。
その後、コーヒーの栽培はブラジル北部から南部へと広がり、19世紀には主要な輸出作物となりました。
19世紀から20世紀初頭:「コーヒー経済」の時代
19世紀から20世紀初頭にかけては、「コーヒー経済」の時代とも呼ばれ、ブラジル経済はコーヒー生産に大きく依存していました。
当時の主要な生産地域はリオデジャネイロ州とサンパウロ州で、特にサンパウロ州はその肥沃な赤土がコーヒー栽培に適していました。
この時期には、奴隷労働による大規模なプランテーションが多数設けられ、大量のコーヒー豆が生産されました。
20世紀:多様化と機械化の進展
20世紀に入ると、ブラジルのコーヒー生産はさらなる多様化と機械化を経験しました。
奴隷制の廃止と共に、従来の大規模プランテーションは中小規模の農園に取って代わられ、栽培方法も進化しました。
また、品種の多様化や栽培技術の進歩により、コーヒーの品質も向上しました。
世界最大のコーヒー生産国へ
現在、ブラジルは世界最大のコーヒー生産国であり、全世界のコーヒー生産量の約3分の1を占めています。
ブラジルのコーヒー生産は国の経済にとって重要な役割を果たし続けており、多数の農家と労働者が関与しています。
また、特に近年ではスペシャルティコーヒーの生産に注力し、その品質と多様性が世界的に評価されています。
ブラジルコーヒー豆の等級・グレード
ブラジルの格付けは複雑です。
1.異物の混入数
2.豆の大きさ
3.風味
上記の3つの主要な基準に基づいています。
1.異物の混入数
ブラジルのコーヒーのグレードは、豆中の欠点による点数がつけられています。欠点は黒い豆、不完全な豆、虫食い、果肉残留、石や木片などの異物の混入を含みます。マイナスの点数が多いほどグレードは低くなります。
グレード | マイナス点 |
No.2 | 4点以下 |
No.3 | 8点以下 |
No.4 | 26点以下 |
No.5 | 46点以下 |
No.6 | 86点以下 |
No.7 | 160点以下 |
No.8 | 360点以下 |
お気付きかもしれませんが、「No.1」のグレードは存在しません。
NO.1が無い理由は「欠点豆が一つもない」のは現実的にはほぼ不可能であるからだと言われています。
そのため、No.2が最上級グレードになります。
2.豆の大きさ
豆の大きさは、コーヒーのグレードを決定する重要な基準です。通常、大きな豆は高品質とされ、グレードが高くなります。ブラジルでは「スクリーンサイズ」を用いて豆の大きさを測り、数字が大きいほど豆が大きいことを示します。
グレード | サイズ |
スクリーン20 | 8mm |
スクリーン19 | 7.5mm |
スクリーン18 | 7mm |
スクリーン17 | 6.75mm |
スクリーン16 | 6.5mm |
スクリーン15 | 6mm |
スクリーン14 | 5.5mm |
スクリーン13 | 5mm |
3.風味
風味もまた、ブラジルのコーヒーのグレードを決定する重要な基準です。
グレード | 味 |
STRICITY SOFT | 非常に滑らかな味わい |
SOFT | 滑らかな味わい |
HARD | 酸味や渋みなどを感じる |
RIOY | 軽く薬品臭を感じる |
RIO | 強く薬品臭を感じる |
ブラジルコーヒーの栽培と収穫
収穫の時期とタイミング
ブラジルでは、コーヒーの収穫は通常5月から9月にかけて行われます。
収穫のタイミングは、コーヒーの実が赤く熟した時です。
収穫方法
ブラジルの地形は、平坦な土地やゆるやかな斜面が広がっており、これがコーヒーの栽培や収穫に独特の特徴をもたらしています。
広大な農地では、収穫の効率を向上させるために機械化が進んでいます。
コーヒーの木と木の間が機械が通れるように整備されています。
機械を使用するデメリットとして未熟な緑色の実も一緒に落としてしまうこともありますが、
その広さゆえに機械を使わないと収穫が追いつかないという側面もあります。
また、機械の導入が困難な山間部や小規模な農場では、ピッカーと呼ばれる収穫作業員が手で収穫を行っています。
コーヒーが栽培されている地域の特性に応じて、機械と手作業が使い分けられています。
ブラジルの精製方法
ブラジルのコーヒーの精製方法には3つの方法があります。
ナチュラル(非水洗式)・ウォッシュド(水洗式)・パルプドナチュラル(半水洗式)
その3つの内、ブラジルでは「ナチュラル」が主流です。
ブラジルの有名農園
ブラジル国内には大規模農園から小規模農園まで数多くあります。
その中でも特に有名な農園をご紹介させて頂きます。
イパネマ農園
イパネマ農園は、ブラジルのサンパウロ市の北約300kmに位置しており、保有面積は約60平方キロメートル(世界最大級)で、年間生産量は最大約9,200トンです。同農園で栽培されるコーヒーは、使用農薬や生産履歴が整備されトレーサビリティに優れている。
イパネマ農園内で最高品質の豆をプレミアクリュとして商品化。
・ブルーエディションに該当する品質のものは、全体生産量の約0.06%
・ゴールドエディションに該当する品質のものは、全体生産量の約0.6%
・ブラックエディションに該当する品質のものは、全体生産量の約1.4%
カルモ農園
カルモ農園は、ブラジルのミナスジェライス州カルモデミナス地区に位置しています。農園主は、ブルボンが好きで、栽培されている約90%がアマレロブルボン(イエローブルボン)です。年間収量は1350袋で、地理的に特に美味しいアマレロブルボンが栽培される地域は標高が1250mあり、特別扱いされています。
パッセイオ農園
南ミナス地区の丘陵地帯に広がるパッセイオ農園。3世代にわたる名門農園でその歴史は100年以上続いています。火山性ミネラルを含む土壌で栽培され、上品な甘みのあるコーヒー豆を栽培しているのが特徴。
サンタアリーナ農園
サンタアリーナ農園は、ポソスエカルダスにあり、標高は1100~1200m、保水性に優れた肥沃な火山性土壌で栽培されています。農園主は4代目のジョアンキンベルナデスで、農園は約360haあり、70世帯の永住労働者が住んでいます。
サンタイネス農園
サンタイネス農園は、1979年にセルトングループに加わり、カップオブエクセレンスやイリー品評会、BSCA品評会で高い評価を受けています。栽培品種はアマレロブルボンのほか、カツアイやアカイアなど。標高1200m、農園面積は105haです。
ブラジルのスペシャルティコーヒー注目
前述の通りブラジル産コーヒー豆の特徴は、酸味・甘さ・苦味などのバランスの良さでした。
これは悪く言えば個性が無いと捉えられます。
スペシャルティコーヒー専門のショップでブラジルの豆の取り扱いが少ない理由でもあります。
ブラジルコーヒーは、そのバランスの良さと手頃な価格から、使いやすく、ブレンド用としてもよく使われてきました。
しかし、最近では、鮮やかな酸味を持つ豆も徐々に見られるようになってきました。
ブラジル各地でスペシャルティグレードのコーヒー豆が広く生産されるようになり、品評会でこのような豆が注目されるようになったのです。
生産者たちは、品評会で高い評価を得られるような風味を追求するようになりました。
バイーア州やミナスジェライス州の生産地や農園に着目してコーヒーを探してみてください。
個性豊かなブラジルのスペシャルティコーヒーに注目することで、コーヒーを楽しむ幅が広がると思います。
特定の風味を楽しむためのブラジルコーヒーの選び方
異なる産地・品種・加工方法・焙煎度などコーヒーの選び方を理解することで、味覚の幅が広がり、コーヒーを選ぶ際の楽しさにもつながります。
香ばしいアーモンドのような甘味とチョコレートの風味を求めるなら
産地:サンパウロ州 モジアナ地域
品種:カツアイ、ムンドノーボ
加工方法:ナチュラル
焙煎度:中煎り(ミディアム〜ハイロースト)の焙煎がおすすめです。
ミネラル感やハチミツのような甘さ、オレンジのような爽やかな風味を求めるなら
産地:ミナスジェライス州 サントアントニオ地域
品種:ブルボン
加工方法:パルプドナチュラル
焙煎度:中煎り(ミディアム〜ハイロースト)の焙煎がおすすめです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ブラジルコーヒーの魅力は、そのバランスの良い味わいにあります。
甘さと酸味のバランスが良く、ナッツやチョコレートのような風味があります。
ブラジルは世界最大のコーヒー生産国であり、多岐にわたるコーヒー産地があります。
各産地の気候、土壌、高度などの特徴がコーヒーの風味に影響を与えます。
ブラジルコーヒーを楽しむために、
・焙煎度を選ぶ
ブラジルコーヒーは、中焙煎から深煎りまで様々な焙煎度で楽しむことができます。自分の好みに合った焙煎度を選んでください。
・新しい産地を試す
ブラジルには多岐にわたるコーヒー産地があります。異なる産地のコーヒーを試して、それぞれの風味の違いを楽しんでみてください。
あなたのコーヒータイムがより豊かになることをお祈りしています。