ペルーと聞くと、マチュピチュや美しい自然風景、壮大な文化遺産を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
実は、ペルーは世界でもトップクラスのコーヒー生産国でもあります。
今回は、その魅力的で独特な特徴と風味について紹介させて頂こうと思います。
この記事を読むことで以下のメリットがあります。
・ペルーコーヒーの味わいの特徴がわかる
・近年のペルーのコーヒー産業の活動が分かる
・特定の風味を楽しむためのコーヒーの選び方がわかる
さあ、一緒にペルー産コーヒーの世界を楽しみながら、素敵なコーヒータイムを過ごしましょう。
ペルーコーヒーの味わいの特徴は?
ペルー産コーヒーの味わいの特徴は、マイルドな酸味とナッツのような香ばしい風味です。
特に、深めに焙煎するとチョコレートのような甘さがグッと出てきます。
フレーバーノートは一般的に以下のように表現されます。
甘み: ペルー産コーヒーはしばしば柔らかい甘みが特徴で、カラメル、チョコレート、砂糖漬けのフルーツのような甘さ。 |
フルーティ: 特定のペルー産コーヒーは、レッドフルーツやベリー類、リンゴ、オレンジ、レモンのような明瞭なフルーツ。 |
風味: ナッツ・アーモンドのような香ばしさ。 |
酸味: 中程度の酸味。 |
飲み心地: まろやかでスムーズ。バランスの良い後味。 |
ペルーの主要な産地と品種
ペルーのコーヒーの主要な生産地域は主に国の中央と北部に集中しています。
アンデス山脈の雪解け水を使い、自然水という恵みたっぷりの水源でコーヒーを育て上げています。
それぞれの地域は独自の気候と地形を持ち、それらがコーヒーの特性と風味に影響を与えます。
サン・マルティン(San Martine)
サン・マルティン地域はペルー北部のアンデス山脈の東側に位置しており、ここはペルーで1番の生産量を誇る地域です。アンデス山脈の東斜面に限定されています。そのため標高は標高 550 メートルから 1,200 メートルの間でそこまで高くありません。亜熱帯および熱帯気候が優勢です。
カハマルカ(Cajamarca)
カハマルカ地域は、ペルー北部の西アンデス山脈に位置しています。コーヒー栽培地域の標高は、標高 550 メートルから 1950 メートルの間です。その標高と気候は、コーヒーチェリー(コーヒーの果実)の成熟を遅らせることでコーヒー豆の風味と複雑な味わいをもたらしています。カハマルカ地域は高い品質と独特の風味で国内外の消費者から高い評価を受けています。
アマゾナス(Amazonas)
アマゾナス地方はペルー北部のアンデス山脈の東側に位置しており、この地域も重要なコーヒー生産地の一つです。標高は 550 メートルから 2,100 メートルの間です。アマゾナス地方は、その肥沃な土壌、多湿な気候、そして適度な降水量により、コーヒー栽培に理想的な環境を提供しています。
ペルーコーヒーの主要な品種
ペルーで栽培されているコーヒーの大部分はアラビカ種です。
アラビカ種の中でも特に品質が高いとされるタイプ(ティピカ種・ブルボン種)が栽培されています。
これらの品種は個性的なコーヒーとしての潜在能力が高く、適切に栽培・収穫・処理された場合、非常に高品質なコーヒーを生産することが可能です。
ティピカ: これはアラビカ種の中でも最もオリジナルに近いとされる品種で、ペルーの多くのコーヒー農園で栽培されています。ティピカは明瞭な酸味と甘みを持ち、そのフレーバープロフィールは通常、フルーツやベリーのようなフレーバーノートを特徴とします。
ブルボン: ブルボンもまた、アラビカ種の最も古い品種の一つで、その風味は繊細で、バランスの良い酸味と甘さ、そしてしばしばフルーツやチョコレートのようなフレーバーノートを特徴とします。
カツーラ: カツーラはアラビカ種の一部で、その特性は肥沃な土壌と独特の気候によって強調されます。そのフレーバープロフィールは通常、フルーツやキャラメルのフレーバーノートを特徴とします。
ペルーコーヒーの歴史と経済背景
ペルーコーヒーの起源は1700年代にさかのぼり、スペインの植民地としてコーヒーの栽培がはじまりだと言われています。
1950年代以降、国内外の市場でコーヒーの需要が高まると、コーヒーの生産が急速に拡大しました。
その結果、ペルーは世界の主要なコーヒー生産国の一つとなり、特に1970年代と80年代には生産量が大幅に増加しました。
しかしながら、1980年代末から1990年代初頭にかけては、政治的不安定性やテロリズムの影響でコーヒー生産量が大幅に減少しました。
2000年、国内の安定とともにコーヒー生産が再び盛り返しました。また、同時期には、フェアトレードや有機栽培といった持続可能な農業への関心が高まる中、ペルーのコーヒー生産は大きく変化しました。
2010年、全米スペシャルティーコーヒー協会(Specialty Coffee Association of America, SCAA)でペルーのコーヒーは品評会で1位を獲得しました。
これによりペルーは高品質なコーヒーの生産国として国際的な評価を受けるようになりました。
ペルー産コーヒーの農法と生産過程
ペルーのコーヒー生産は、その多くが伝統的な有機栽培方法で行われており、生態系に対する配慮が特徴です。
収穫された豆は、ウォシュッド法(水洗法)によって処理され、その後自然乾燥されます。
ペルーのコーヒー産業はその多くが小規模農家によって運営されており、農家たちはコーヒー生産を通じて生計を立てています。
ペルーはまた、有機栽培されたコーヒーの主要な生産国でもあり、これは伝統的な農法と生態系への配慮が一般的であることに起因しています。
ペルーコーヒーの商標『Cafés del Perú(カフェス・デル・ペルー)』
近年のペルーのコーヒー産業の活動として『Cafés del Perú(カフェス・デル・ペルー)』が注目を浴びています。
Cafés del Perúはペルー産コーヒーのブランド化と国際的な認知度を高めることを目的としています。
ペルーには小さな農場がたくさんあって、そこで特別な風味を持つ高品質なコーヒー豆が作られています。
この「Cafés del Perú」は、そのコーヒー豆がどのように育てられ、どれだけ良い品質か、生産過程が公平で透明であること、そしてそれが自然と調和していることを大切にしています。
その結果、ペルーのコーヒーは多くの人々に知られ、愛されるようになってきました。
このプロジェクトの努力によって、ペルーのコーヒーは世界のスポットライトを浴びるようになりました。
特に個性のあるコーヒーや有機栽培のコーヒーといった領域で評価が高まっています。
それに加えて、このプロジェクトはペルーのコーヒー産業が持続可能で公正な形で発展するように促進しています。
つまり、「Cafés del Perú」は、ペルーのコーヒーを作る人たちと、それを飲む人たちの両方にとって、とても良い活動をしているのです。
ペルーのコーヒー豆の等級・グレード
ペルーのコーヒー豆の等級・グレードは基本的には機械を使って選別していくため、機械式や電子式などの選別器を使います。
機械での選別後さらに人の手によって選別したものが最高級になります。
グレード | 300g中の欠点豆数 |
ESHP (Electronic sorted&hand picked) | 10個以下&人の手による選別 |
ES (Electric sorted) | 11~40個 |
MCM (Machine cleane mejorado) | 41個~70個 |
MC (Machine cleaned) | 71個~100個 |
特定の風味を楽しむためのペルーコーヒーの選び方
甘味とまろやかなコク・ナッツ系の風味を求めるなら。
産地 : サン・マルティン
品種:ティピカ
精製方法:水洗式
焙煎度 : 中煎り(ミディアムロースト)~深煎り(フルシティロースト)
シロップのような甘味に加え、レモンの紅茶のような風味を求めるなら。
産地 :カハマルカ
品種:ティピカ、ブルボン種
精選方法:WASHED
焙煎度 : 中煎り(ミディアムロースト)
柑橘系の酸味と苦味のバランス・チョコレートのような甘い風味を求めるなら。
地 域 : アマゾナス
品種 : ティピカ、カツーラ
精選方法 : 水洗式
焙煎度 : 深煎り(フルシティロースト)
まとめ
いかがだったでしょうか?
以下の3つに焦点を当てて記事を作成させて頂きました。
・ペルーコーヒーの味わいの特徴がわかる
・近年のペルーのコーヒー産業の活動が分かる
・特定の風味を楽しむためのコーヒーの選び方がわかる
ペルーの魅力を知ることでさらにコーヒータイムが楽しくなることをお祈りしています。