コーヒーにも旬があるって知ってましたか?
他の食品と同じようにコーヒー豆という農作物にも、最も良い収穫時期、
つまり”旬”が存在します。
コーヒー豆は海外で育てられ、加工された後に日本に運ばれてきます。
したがって、私たちが感じるコーヒーの”旬”は収穫されてから半年後となります。
日本の港に新鮮な豆が到着し、焙煎されて店舗に並べられるのがその旬の時期と言えるでしょう。
今回は、生産国ごとのコーヒ豆の収穫時期のお話しをさせて頂きます。
旬を知ることで、その時期に収穫された豆を選ぶことができます。
より美味しいコーヒーを楽しんでください。
収穫時期は大きく分けて3つ
収穫時期は3つに分けられます。
①北半球(グアテマラ・ホンジュラス・エチオピアなど)→10〜3月頃
②南半球(ブラジル・ペルーなど)→4〜9月頃
③赤道直下(コロンビア・インドネシア・ケニアなど)→年2回の収穫
コーヒーの収穫期は、その地域の気候に大きく依存します。
しかし、なぜ北半球と南半球で収穫時期が違うのかと疑問に思いませんか?
それは、地球の北半球と南半球では季節が真逆に進行しているからです。
すなわち、北半球が夏なら南半球は冬になります。
逆も同様です。
コーヒーチェリーの成熟と収穫には一定の温度範囲と適切な降水量が必要です。
これらは一般的に雨季の後の乾季に最も適しています。
そのため、北半球では一般的に10月から翌年の3月、南半球では4月から9月に収穫が行われます。
では、なぜ赤道直下の生産地は年に2回の収穫が可能になるのでしょうか?
これは、赤道直下の地域では年間を通じて温度が安定し、年2回の雨季があるためです。
通常一つ目の収穫は乾季の始まりに、二つ目の収穫は乾季の終わりに行われます。
そのため、国によっては「メインクロップ(主な収穫)」と「フライクロップ(追加収穫)」という二つの収穫シーズンが存在します。
コーヒーの生産国ごとの収穫期と日本での旬の一覧表
主なコーヒーの産地ごとの収穫期と加工された後に日本に運ばれてきた旬の時期を表でまとめてみました。
雨季と乾季は年ごとにある程度予測できますが、雨季が長かったり、年末に大きな嵐が発生したりするため、雨季と乾季が少し遅れる年もあります。
そのため、その年によって各国の収穫時期が前後することがあります。
なので表はあくまでも目安としてご覧ください。
生産国 | 収穫時期 | 日本での旬 |
コロンビア | 1年中 | 1年中 |
ブラジル | 5〜8月 | 11〜2月 |
ペルー | 7〜9月 | 1〜3月 |
ボリビア | 7〜10月 | 1〜4月 |
アメリカ(ハワイ) | 11〜3月 | 5〜9月 |
エルサルバドル | 12〜3月 | 6〜9月 |
キューバ | 12〜3月 | 6〜9月 |
グアテマラ | 12〜3月 | 6〜9月 |
コスタリカ | 12〜3月 | 6〜9月 |
ジャマイカ | 12〜3月 | 6〜9月 |
ドミニカ | 12〜3月 | 6〜9月 |
ニカラグア | 12〜3月 | 6〜9月 |
ホンジュラス | 12〜3月 | 6〜9月 |
メキシコ | 12〜3月 | 6〜9月 |
エチオピア | 11〜2月 | 5〜8月 |
ケニア | 1年中 | 1年中 |
コンゴ | 1年中 | 1年中 |
ザンビア | 3〜7月 | 9〜1月 |
タンザニア | 5〜12月 | 11〜6月 |
ブルンジ | 3〜7月 | 9〜1月 |
ルワンダ | 3〜7月 | 9〜1月 |
インド | 11〜3月 | 5〜9月 |
インドネシア(スラウェシ) | 5~11月 | 11〜6月 |
インドネシア(スマトラ) | 1~3月 | 7〜9月 |
中国 | 10~1月 | 5〜7月 |
東ティモール | 4~10月 | 10〜4月 |
フィリピン | 10~3月 | 4〜9月 |
ベトナム | 11~3月 | 5〜9月 |
タイ | 11~3月 | 5〜9月 |
パプアニューギニア | 5~11月 | 11〜6月 |
コーヒー豆は、収穫期の真ん中で摘まれたものが一番美味しいとされています。
しかし、コーヒー豆の味は、様々な条件によって変わります。
例えば、雨がどれだけ降ったか、土壌に何が含まれているか、どんな肥料が使われたか、そして、虫や病気に影響を受けていないかなどです。
さらに、風の当たり方や、自然災害もコーヒー豆の味に影響を与えます。
なので、コーヒー豆の味は必ずしも収穫期の中間が一番美味しいとは限りません。
最初または最後の収穫が最善である場合もあります。
しかし、一般的に言えば、
シーズンの半ばに収穫されたコーヒーを購入すると、その年の中で最もおいしいコーヒーになります。
コーヒー豆のフレッシュネスを見極める
コーヒー豆の収穫から販売までの期間を表すために使われる言葉に
・ニュークロップ
・カレントクロップ
・パストクロップ
・オールドクロップ
というものがあります。
コーヒー豆の収穫時期と品質の変化を理解するのに役立ちます。
ニュークロップ(New Crop)
その年に収穫された一番新鮮なコーヒー豆ということになります。ニュークロップは、新鮮さとその年の気候や環境による個性があふれるフレッシュな味わいが特徴です。
カレントクロップ(Current Crop)
今年度に収穫されたコーヒー豆のことです。ニュークロップから少し時間が経ち、すでに市場で流通しているものを呼びます。また、一部の地域では年に2回収穫が行われるため、ニュークロップとカレントクロップの区別が重要となります。
パストクロップ(Past Crop)
前年度に収穫されたコーヒー豆のことです。パストクロップのコーヒー豆は品質が劣ると見られることが多いです。
オールドクロップ(Old Crop)
前年度以前に収穫されたコーヒー豆です。オールドクロップのコーヒー豆は一般的には品質が劣ると見なされがちです。しかし、味の好みは個人によるので、必ずしもオールドクロップを避けるべきとは限りません。自分の好みや用途に合わせて選ぶことが最も重要です。
旬のコーヒー豆は、新鮮さが味わいに深みをもたらし、全体の香りや風味を高めます。
では、旬が過ぎれば味が落ちるのかといえば、一概にそういう訳ではありません。
あえて何年間も寝かせることでワインの熟成のようにエイジングさせることもあります。
ただし、湿度・温度・保存期間など適切な管理が必要なため知識と経験が必要となります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
旬を知ることで、より美味しいコーヒーライフを送れます。
時期によって飲むコーヒーを変えてみて下さい。
味わいだけでなく、コーヒーを通じて遠く離れた国に思いをはせるのも趣があって素敵ですよ。