「コーヒーをどう選べばいいかわからない」
特にコーヒーに興味を持ち始めた人はそう思うことが多いのではないでしょうか。
コーヒーの味わいは各国のテロワール(産地特有の土壌や気候)・品種・栽培方法・精製方法・焙煎・抽出などこれらの要素が複雑に絡みあって構成されます。
そのため国ごとの味わいの特徴を厳密に分類することは不可能です。
とはいえ、大まかな目安があるとコーヒー選びの助けになります。
さらにはコーヒーの美味しさを理解するためにも役立ちます。
今回は、そんなコーヒーの選び方に疑問を持つ方に
・南米
・中米
・アフリカ
・アジア
この4つの大陸別のコーヒーの味わいの特徴をざっくりとご紹介します。
大まかな特徴を理解し、自分好みのコーヒーを見つけるのにお役立て下さい。
大陸ごとの味わいの特徴を知ってからコーヒーを選ぼう!
コーヒー選びの前に、それぞれの大陸ごとの味わいの特徴を把握しておくと役立ちます。
大陸ごとの味わいの特徴を理解することで、あなたの好みに合ったコーヒーを選ぶことがより簡単になります。
もちろん、様々な要因があってコーヒーの味わいが決まるので大陸単位で味わいを決めるのは少し強引ではあります。
しかし、コーヒーを飲んでいれば自然とわかるようになるというアドバイスも雑に感じます。
大まかな味わいの目安がある方がコーヒーの美味しさを理解するためにも役立ち、さらには、今後のコーヒー選びの楽しみにも早く繋がるとでしょう。
例えば、
・南米のコーヒー豆の特徴はバランス良さ
・中米のコーヒー豆の特徴は柑橘系の明るい酸味
・アフリカのコーヒー豆の特徴はフルーティーで優しい酸味
・アジアのコーヒー豆の特徴はしっかりとした苦味とスパイシーな風味
これらの特徴を踏まえて選択することで、理想のコーヒーに出会いやすくなります。
コーヒー豆の一粒から始まる、自分だけのお気に入り探しの旅は、コーヒーの知識を深めることで、感覚をより客観的に捉え、次回の選択に生かせるようになります。
4つの大陸別のコーヒーの味わいの特徴
南米・中米・アフリカ・アジア
の4つの大陸ごとに分けてざっくりと説明していきます。
大まかな特徴を把握し、コーヒーの美味しさの理解へと繋げてください。
南米のコーヒー豆の特徴(バランス良い味わい)
南米のコーヒー豆の特徴といえば酸味・甘さ・苦味などのバランスの良さが特徴です。
一般的に中煎り〜深煎りに適した豆が多く、ナッツやチョコレートのような甘い風味があります。
口当たりはクリーミー。
苦味もマイルドで飲みやすいです。
その豊かな風味とバランスの良さから、南米のコーヒー豆はブレンドによく用いられます。
また、単独で飲むだけでなく、ミルクを加えた飲み物にもよく合います。
主な生産国
ブラジル・コロンビア・ペルー・ボリビアなど
有名な銘柄
サントス(ブラジル)・エメラルドマウンテン(コロンビア)など
①南米の代表的な生産国「ブラジル」
ブラジルは世界第1位のコーヒー生産国です。
生産量は全世界の生産量の約3分の1を占めています。
そのため、コーヒーを楽しむ多くの人々がブラジル産のコーヒーの風味に親しみを感じるかもしれません。
②南米の代表的な生産国「コロンビア」
コロンビアは世界第3位のコーヒー生産国です。
風味の豊かさとバリエーションの多さが魅力です。
ブラジルとは違う独自の風味も持ち合わせていますが、バランスが良く飲みやすい点は同じです。
中米のコーヒー豆の特徴(柑橘系の明るい酸味)
中米は数多くの有名なコーヒー産地を擁し、スペシャルティコーヒー業界における中心的な存在の地域です。
産地ごとに異なる特性を持ち、そのバリエーションの豊富さを一括りに表すのは難しいのですが、総じていうと柑橘系の明るい酸味が特徴です。
焙煎度は中煎りに適した豆が多いです。
主な生産国
グアテマラ・パナマ・コスタリカ・エルサルバドルなど
有名な銘柄
グアテマラ・ブルーマウンテン(ジャマイカ)など
①中米の代表的な生産国「グアテマラ」
グアテマラは土壌、気候、高度などの自然条件と、豊かな経験と知識を持つ生産者たちにより、一貫した品質のコーヒー豆が生産されています。
エルインヘルト農園などの世界的にも有名なコーヒー農園を数多く有しています。
②中米の代表的な生産国「パナマ」
パナマといえばエスメラルダ農園のゲイシャ種が有名です。
スペシャルティコーヒー界では、その独特な風味が非常に評価されており、他のコーヒーと比べて類まれな存在感を持ち続けています。
その栽培は困難で生産量も限られているため、この種のコーヒーは非常に価値があります。
国際オークションでも、このコーヒーは常に高価格で取引されます。
アフリカのコーヒー豆の特徴(フルーティーで優しい酸味)
アフリカはコーヒーの起源地であり、今もなおその多様性とユニークな風味で知られています。
味わいの特徴はフルーティーで優しい酸味です。
その酸味はよく柑橘系やベリー系に例えられることが多く、風味の繊細さと複雑さは他の産地と比較して際立っています。
焙煎度は浅煎り〜中煎りに適した豆が多いです。
主な生産国
エチオピア・ケニア・タンザニア・ルワンダなど
有名な銘柄
モカ(エチオピア)・キリマンジェロ(タンザニア)など
①アフリカの代表的な生産国「エチオピア」
エチオピアはコーヒーの発祥の地とされており、その歴史性はエチオピア産のコーヒー豆のイメージに大いに影響しています。
近年ではイチゴの風味がするコーヒーとしてイルガチェフェ地方とグジ地方が注目を浴びています。
②アフリカの代表的な生産国「ケニア」
ケニア産のコーヒー豆はその顕著な風味と高い品質で世界的に知られています。
エチオピアと同様にフルーティな風味が特徴で、口に含むとほど良い甘さとともに爽やかな酸味が広がります。
また、その酸味はしっかりとしたボディとバランスを持つため、味わい深いコーヒーとなっています。
アジアのコーヒー豆の特徴(しっかりとした苦味とスパイシーな風味)
缶コーヒーやインスタントの原料としてよく使われるロブスタ種を育てる地域が多いです。
しかし近年では、スペシャルティコーヒーとしての品質を追求する生産者も増えており、それに伴い品質の高いアラビカ種の生産も増えてきています。
アジアのコーヒー豆の特徴といえばしっかりとした苦味とスパイシーな風味です。
一度飲んだらクセになるようなコーヒーを生産するユニークな地域が多いです。
主な生産国
インドネシア・ベトナム・中国・ミャンマーなど
有名な銘柄
マンデリン(インドネシア)・雲南(中国)など
①アジアの代表的な生産国「インドネシア」
インドネシアで有名な銘柄はマンデリンです。
そのダークチョコレートのような甘さやアーシー(土のような)な風味が特徴です。
これらはスマトラ式と呼ばれる特有の精製処理が施され、独特の風味を生み出します。
②アジアの代表的な生産国「ベトナム」
べトナムは世界最大のロブスタ種コーヒー豆の生産国です。
ロブスタ種はアラビカ種に比べて風味が強く、酸味が少なく、カフェイン含有量が多いのが特徴で、その味わいは深みがあります。
しかし近年では、ベトナムでもスペシャルティコーヒーの生産が増えてきています。
その結果、品質と風味の面での多様性が増しており、ベトナム産のコーヒー豆はますます興味深いものとなっています。
ロブスタ種の風味を楽しむだけでなく、新たに試みられているアラビカ種のスペシャルティコーヒーにも注目してみると良いでしょう。
購入の際の2つの注意点
コーヒーを飲む際に、より特徴を感じるのなら
・焙煎からまもない新鮮な状態であること
・高品質な豆であること
この2つが大切になります。
焙煎からまもない新鮮な状態であること
焙煎後1ヶ月以内の豆であれば美味しくコーヒーが飲めます。
理想は焙煎から3〜14日。
豆や粉を購入する際には焙煎日を確認してみて下さい。
焙煎日の表記がない場合、コーヒー専門店であれば店員さんにたずねて見るのもありだと思います。
高品質な豆であること
生産や流通などの履歴を遡ることができれば高品質なコーヒー豆である可能性が高いです。
「生産国」「生産地域」「農園」「加工方法」などが表記されているか確認して下さい。
これらの履歴を遡ることをトレーサビリティーといいます。
豆の鮮度・トレーサビリティが追えるコーヒー豆はスーパーでは置いてないかもしれないです。
お近くのコーヒー専門店または、ネットショップで探してみて下さい。
スーパーと比べるとお値段が少し高くなってしまいますが、
格別な味と香りなのでより素敵なコーヒータイムになるのではないかと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は大まかな目安として4大陸別のコーヒーの味わいの特徴をご紹介させて頂きました。
コーヒーの味わいは非常に複雑な要素が絡みあって構成されます。
そのため、結局のところ実際のコーヒーの味わいは飲んでみないとわかりません。
大陸ごとのコーヒーを飲み比べして自分なりのコーヒープロフィールを作ってみてください。