「何気なくコーヒーを飲んで美味しかったらそれでいい」
たしかに、味わうだけでほっこりした気分になるのでそれだけでも十分かもしれません。
コーヒーの楽しみ方なんて多種多様だから全ての人が知識をつける必要もありません。
ただ、コーヒー屋としてお伝えしたいことが一つありまして、
『コーヒーを知るとコーヒーを楽しむ幅が確実に広がりますよ』という事です。
時にコーヒーは存在そのものがおしゃれアイテムだったり、コミュニケーションツールにもなります。
さらには、生産背景を知ることでその国を観光した気分にもなれます。
もはや単なる飲み物としてコーヒーを捉えるのはもったいないレベルなのです。
このようにコーヒーの魅力はたくさんありまして、
ayakara coffeeでは皆さんにコーヒーをより楽しんで頂きたく、5つのステップに分けてコーヒーの楽しみ方をご紹介していきます。
楽しみ方といっても様々で「コーヒーの淹れ方」・「カフェ」・「写真」・「焙煎」など、のめり込む分野は多くあるのですが、
今回は豆の選び方を中心にコーヒーの楽しさをお伝えします。
理由はコーヒーの味わいに1番大きく関わってくるので楽しさに繋がりやすいと思うからです。
5つのステップは具体的には以下の通り。
・自分の好みのコーヒーを知ること
・大陸や生産国の味わいの特徴を知ること
・生産背景を知ること
・コーヒー選び方を知って美味しいコーヒーを飲むこと
・コーヒー好きな仲間を増やすこと
この記事を読み終えたあとは『自分で好みのコーヒーを選べるだけでなく、コーヒーを楽しむために何をすればいいか』までわかるようになります。
より充実したコーヒーライフをお過ごし頂けることでしょう!
コーヒーの楽しみ方の5つのステップとは?
冒頭でもお伝えしましたが、コーヒーを楽しむための5つのステップをご紹介します。
実は、この5つのステップは私の実体験です。
しかし『これが正しい』や『必ずこの方法でなければならない』といったことではありません。
10人いればそれぞれ異なる楽しみ方があるのは自然なことなので、あまり考え過ぎないで気楽にご覧ください。
コーヒーを楽しむための5つのステップ
- 自分の好みのコーヒーを知ること
- 大陸や生産国の味わいの特徴を知ること
- 生産背景を知ること
- コーヒー選び方を知って美味しいコーヒーを飲むこと
- コーヒー好きな仲間を増やすこと
このステップは私がコーヒーをどのようにして好きになったんだろうと思いかえした流れです。
当時、コーヒーが好きでもなかった私は何かの縁でコーヒー豆屋さんで働き始めたことがきっかけでコーヒーが好きになりました。
①自分の好み焙煎度を見つける→②お客さんに商品説明をするためにコーヒーの特徴を勉強する→③コーヒーの生産背景に興味がでる→④暇な時間に美味しいコーヒーを飲み続ける→⑤コーヒー好きな同僚とお話をしてたらいつの間にかコーヒーが大好きになる。
こんな感じでコーヒーの楽しさを学びました。
職場の仲間とお酒を飲んだ後の締めはラーメンではなくコーヒーだった、そんな日も多々ありました。結婚を機に退社しましたが今でもいい思い出です。
私の経験が詰まったステップを一つ一つ解説していくので、あなたがよりコーヒーを楽しむためにお役立て頂けると嬉しいです。
Step1.自分好みのコーヒーを知ること
まずは自分好みのコーヒーを知ることが大切です。
コーヒーの味わいはざっくり分けると苦いか酸っぱいかです。
どちらの方が好みでしょうか?好みによってコーヒーの焙煎度具合が変わってきます。
基本的には浅煎りであるほどコーヒーの味は酸味が強く、深煎りであるほど苦味が強くなります。
浅煎り→ライトロースト・シナモンロースト
中煎り→ミディアムロースト・ハイロースト・シティロースト
深煎り→フルシティロースト・フレンチロースト・イタリアンロースト
8段階の焙煎具合 | 焙煎度の特徴 |
ライトロースト | うっすらと焦げ色がつく程度でコーヒーの香りがしない。 |
シナモンロースト | 酸味が非常に強く、苦味はない。青臭さを感じる。 |
ミディアムロースト | 中煎りの始まり。コーヒーらしい苦味と香りが出てくるが酸味が強く、苦味が少ない。 |
ハイロースト | 酸味がありながらも、苦味と香ばしさが出てくる。 |
シティロースト | 苦味と酸味のバランスがよく、多くの人に受け入れられる味わい。 |
フルシティロースト | 深煎りの始まり。苦味が強く、酸味はほとんどない。 |
フレンチロースト | 苦味が強く、酸味はない。焦げたような香ばしい香りがある一方、コーヒー本来の風味が薄れる。 |
イタリアンロースト | 非常に苦く、オイリーな見た目。焦げたような香りが強く、コーヒー本来の風味はない。 |
酸味が好きな方は浅煎りを選びましょう
フルーティやスッキリした風味を楽しむことが出来ます。
※良質なコーヒーはフルーティな酸です。酸化した酸味とは違うのでご注意下さい。
苦味が好きな方は深煎りを選びましょう
飲みごたえのあるこってりとした風味を楽しむことが出来ます。
もちろんコーヒーに慣れてくると苦味や酸味以外の様々な風味を感じてくると思います。自分の好きな風味を探して下さい。
苦味も酸味もどちらも苦手でなければ焙煎度具合にかかわらずいろんなコーヒを試して下さい。
「苦いコーヒーばかりも飽きるから酸味のあるコーヒーもたまに飲む」という方も多くいらっしゃいます。
自分にとっての究極の一杯を探すのも素敵ですが、その日の気分によって焙煎度の違うコーヒーを味わうのも乙です。
Step2.大陸や生産国の味わいの特徴を知ること
大陸や生産国の特徴をざっくりと覚えましょう。大まかにコーヒーの味わいの傾向がわかるようになります。生産背景にも着目するとグッと面白くなるのですが、それはコーヒーを味わった後、気になった時で大丈夫です。
まずは自分好みのコーヒーがどこら辺にあるのか分かるようになりましょう。
まるで宝探しのような感覚でワクワクを感じてもらえるのではないかなと思います。
大陸別のコーヒーの特徴と適正焙煎度
同じ国内でも異なる地方や農園によってコーヒーの味に差があることはもちろんあります。しかし、今回はまず大まかに世界を4つの地域に分類し、それぞれの地域でのコーヒーの味の特徴について説明します。
南米のコーヒー豆の特徴(バランス良い味わい)
特徴:南米のコーヒー豆の特徴といえば酸味・甘さ・苦味などのバランスの良さが特徴です。
適した焙煎度:中煎り〜深煎り
代表国:ブラジル・コロンビア・ペルー
中米のコーヒー豆の特徴(柑橘系の明るい酸味)
特徴:そのバリエーションの豊富さを一括りに表すのは難しいのですが、総じていうと柑橘系の明るい酸味が特徴です。
適した焙煎度:中煎り
代表国:グアテマラ・パナマ・コスタリカ・エルサルバドル
アフリカのコーヒー豆の特徴(フルーティーで優しい酸味)
特徴:味わいの特徴はフルーティーで優しい酸味です。その酸味はよく柑橘系やベリー系に例えられることが多く、風味の繊細さと複雑さは他の産地と比較して際立っています。
適した焙煎度:浅煎り〜深煎り
代表国:エチオピア・ケニア・タンザニア・ルワンダ
アジアのコーヒー豆の特徴(しっかりとした苦味とスパイシーな風味)
特徴:アジアは一度飲んだらクセになるようなコーヒーを生産するユニークな地域が多いです。
適した焙煎度:中煎り〜深煎り
代表国:インドネシア・ベトナム・中国・ミャンマー
Step3.生産背景を知ること
コーヒーの生産背景を知ることでその国の経済背景や歴史が見えてくるため、一杯のコーヒーには様々なエピソードがあることがわかります。
このエピソードが面白いと思うかは人それぞれなのですが、コーヒーを飲み終わった後でも大丈夫なので、気になったら調べてみましょう。
私のブログでもエピソードを伝えられるように書いています。よかったらご覧ください。
例えば、ミャンマーの生産背景について少しお話しさせて頂きます。『ながっダルッ』と思ったら容赦なく読み飛ばして頂いても結構です。Step4に進みましょう。
ミャンマーコーヒーのエピソード
『ミャンマーはクーデターにより長い間、政情不安を抱えています。その影響でコーヒー産業は停滞しており、現地のコーヒー農家も、時には命の危険を感じながらの作業になります。
しかしながら、近年、海外のNGO団体からの技術支援もあり、コーヒー豆のクオリティも飛躍的に上がってきました。
その中でミャンマー国内のコーヒー企業として、ジーニアス(Genius)社が設立されました。
ジーニアスはコーヒーの生産に関わる村々のコミュニティ開発プロジェクトを支援することで、農家の雇用を生み出し、その家族の生活を守っています。
また、地元の教育、医療、森林保護の努力を支援するために貢献しています。
そして、ジーニアスはミャンマーでの政治的な混乱の中でも、日本向けのコーヒーの生産を続けています。
日本で美味しいミャンマーコーヒーが飲めているのはジーニアスのおかげかもしれません。
一口飲むたびに香り高い焼リンゴのような甘さが広がり、リラックスできるひとときをお楽しみいただけます。
ミャンマーコーヒーを嗜む機会がありましたら、心地よい味わいとともに、ミャンマーの農家たちの努力や情熱、そして一杯のコーヒーができるまでに様々なエピソードあることを感じて頂けると幸いです。』
このような生産背景がわかるようになるとグッとコーヒーへ関心が高まります。
また観光地として素敵な魅力を持つ国も多いのでコーヒーを知ることで、行ったことのない国にも想いを馳せることができるのが魅力の一つです。
ブラジルやグアテマラなどカラフルな街並みや綺麗な海を連想しながらコーヒーを飲むとこれまた格別です。おしゃれな余韻に浸りましょう。
品種や加工方法を知るとよりマニアックです。
Step4.選び方を知って美味しいコーヒーを飲む
残念なことにお店で購入する際にコーヒーの選び方を知らないと産地にこだわっても美味しいコーヒーに出会う確率がガクッと下がってしまいます。
やはり美味しいコーヒーを飲むのがコーヒーの一番の醍醐味なので選び方を知って美味しいコーヒーを飲みましょう。
意識するポイントは以下の2つです。
・焙煎日が確認できるか?
・詳細な情報が表記されているか?
この2つを確認することで、美味しいコーヒーに出会える確率が高まります。
焙煎日が確認できるか?
焙煎後3〜14日までが美味しさのピークです。その後は段々香りが抜けて来るのですが、1ヶ月以内の豆であれば美味しくコーヒーが飲めます。
豆や粉を購入する際には焙煎日を確認してみて下さい。
焙煎日の表記がない場合、コーヒー専門店であれば店員さんにたずねて見るのもありだと思います。
焙煎後の新鮮な豆は香りと味わいが非常に良いです。新鮮なコーヒーを初めて飲む人は美味しさにビックリすると思うので、ぜひ焙煎日にこだわって選んで欲しいです。
詳細な情報が表記されているか?
「生産国」「生産地域」「農園」「標高」「加工方法」「品種」などの詳細な情報が表記されているか確認して下さい。
表記されていれば高品質なコーヒー豆である可能性が高いです。
焙煎日の表記もそうですが詳細な情報が追えるコーヒー豆はスーパーに置いてないかもしれないです。
お近くのコーヒー専門店または、ネットショップで探してみて下さい。
スーパーと比べるとお値段が少し高くなってしまいますが、格別な味と香りなのでより素敵なコーヒータイムになるのではないかと思います。
ちなみに、詳細な情報を元に生産や流通などの履歴を遡ることをトレーサビリティと言います。
このトレーサビリティがわかるといいことがたくさんあります。
・美味しいコーヒー豆/粉を選ぶ事ができる
・味の方向性が分かるからコーヒー選びが楽しい
・自分の購入したお金が、適切な賃金として生産者に届く
・体に安心なコーヒーか確認できる
ご興味ある方は以下の記事へどうぞ
Step5.コーヒー好きな仲間を見つけること
仲間と好きなことを共有するのは素晴らしいことです。
コーヒーが好きな人と一緒にいると、さらにコーヒーを楽しむことができます。
お互いにコーヒーに関する知識を交換したり、好きなことについて話すと自然とストレスが解消されます。
同じ趣味の仲間は家族や学生の友達とはまた違う、特別な存在です。あなたの人生がより豊かになるでしょう。
今はインターネットやSNSを使って世界中の人とコミュニケーションがとれます。コーヒーを通じて豊かな人間関係を築いてみてはどうでしょうか。
何かを楽しむことは、心の健康を保つ上で重要です。
私もコーヒーの日々をInstagramでシェアしているので、ぜひチェックしてみて下さい。
https://www.instagram.com/aya_hobbit/
フォロワーさんの投稿をみて思うのですが、ほんとコーヒーが好きな人はおしゃれさんが多い。
もはやコーヒーはおしゃれアイテムだなとつくづく思います。
まとめ
豆の選び方を中心にコーヒーの楽しさをお伝えしましたが、コーヒーの楽しみ方は多種多様で無限にあります。
どんな楽しみ方をしても間違いではなく、むしろ正解です。
一緒に楽しみましょう!
それでは振り返りますとコーヒーを楽しむ5つのステップは以下の通りです。
コーヒーを楽しむための5つのステップ
- 自分の好みのコーヒーを知ること
- 大陸や生産国の味わいの特徴を知ること
- 生産背景を知ること
- コーヒー選び方を知って美味しいコーヒーを飲むこと
- コーヒー好きな仲間を増やすこと
豆の選び方の他にも淹れ方だったり・焙煎だったり次々と幅を広げるともっと楽しくなると思いますよ!
以上、最後までお読みいただきありがとうございました!